東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

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女源氏教訓鑑 - 翻刻

女源氏教訓鑑 - ページ 73

ページ: 73

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【右丁上段】 ▲赤(しやく)日 赤口神(しやくこうじん)とて一さいべんぜつをもつ  てつとむる事にさゝはりある日なり ▲往亡(わうもう)日 かど出お舟なとにいむ此外もよろしからず ▲くゑ日 大あく日此日何事にても末とげ  ず。ことに死人をとふらはず凶会(くゑ)日と書也悪日也 ▲きこ日 出行わたまし祝言(しうげん)入部(にうぶ)【注①】げんぶく  其外よろづ何事にもわろし ▲けこ日 きうはりにいむ日なり惣して  ものゝ血(ち)を出すものころす事なかれ ▲かん日 きうはりにいむ身のあかをおと  さず。いしやうのたぐひあらはぬなり ▲十し【注②】 大あく日也よろつにわろし ▲冬至(とうじ) とは陽気(やうき)地の下にはじめてきたる  日なり。此日までにて日りん南へ行あたり  給ひ扨北へ行と云ことによつて用事により忌 ▲天火日地火日 大あく日也やねふきむね  あげかうさく家づくり。だうとう宮やしろ  こんりうなどにいむ日也としるべし ◯人の魂(たましゐ)のかずをしる哥 ▲木(き)九からに火(ひ)三ツの山に土一ツ  七ツ金(かね)てそ五 水(すい)りやうあれ 【注① 領内にはいること。特に、国司や領主などがはじめて任国にはいること】 【注② 「十死日」の略。】 【右丁下段】 【見出し】てならひ【源氏香の図】【見出し語の上部左右の角に飾り鉤かっこを付け全体を▢で囲む】 此巻は詞をもつて名つけたるなり。 かほる廿六七歳のことをしるす。さて うき舟は小野のあまのもとにて手習(てならひ)をしてつく〴〵と思ひ出 給へば。物思ひなげきて。みな人ねたるまにつま戸をひらき出たり。河 風はげしく川 波(なみ)あらく。ひとり物をそろしく居たりしを。きよげ なるおとこきていごくを。兵部卿の宮と思ひしに。心まどひしらぬ 所にすておきて此おとこきえうせぬ。そのゝちのことはおぼへ給はす。 小野のあまにつれられて小野に居給ふことは。小野にあまありし。 此あまはつせへまいりて下向(げかう)に宇治(うぢ)にやどりけり。家(いへ)のうしろ 木のもとに。うき舟のすてられてなき居たるをつれてうちへ いれてけり。此あまはつせにてゆめのつげありけるとて。此 ひとをいたはりぬ。あまのあにたうときひじりなりけるに。 いのりかぢさせて小野つれゆかれ給ふ。此あまのむすめ有 けるが。はかなくなりしに。むこの少将といふ人のうき舟の 君に心をかけゝれば。むつかし思ひてあまのるすにひしりを たのみてかみをおろし給ふ也。うき舟の哥に〽身をなけ し。なみだの河のはやきせに。しがらみかけてたれかとゞ めし◯此心はわが身のうきまゝに身をなげたるよと 思ひしが。かやうにいきてある也。しかればたれかしからみと なりてわれをとゞめけるぞとのこゝろなり 【左丁上段】 【見出し】不成就日之(ふじやうじゆにちの)事【見出し語の上部さゆうの角に飾り鉤かっこを付け全体を▢で囲む】 正七月  《割書:三日|  十一日》《割書:十九日|   廿七日》 二八月  《割書:二日|  十日》《割書:十八日|   廿六日》 三九月  《割書:朔日|  九日》《割書:十七日|   廿五日》 四十月  《割書:四日|  十二日》《割書:廿日|  廿八日》 五十一月 《割書:五日|  十三日》《割書:廿一日|   廿九日》 六十二月 《割書:六日|  十四日》《割書:廿二日|   三十日》 右の日物を仕(し)そむるにも人にものをいひかけ ても成就(じやうじゆ)せず何事にも此日つかふべからず ◯同 悪(わろ)き日をしる事 【横並びの日付の上を円弧で繋ぐ】 毎月 《割書:四日|十一日》  《割書:十八|廿五日》  此日くれ六ツより夜の九ツまで 毎月 《割書:八日|十五日》  《割書:廿二日|廿九日》  此日朝六ツより暮の九ツまで 右ふじやう日也物しそむる事人に物いひ かくる事何事もとゝなはぬとしるべし 【左丁下段】  夢浮橋(ゆめのうきはし) のりの  しと たづ  ぬる みちを  しるべ   にて 思はぬ  山に ふみまどふ  かな