東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: コレクション 1

女源氏教訓鑑 - 翻刻

女源氏教訓鑑 - ページ 74

ページ: 74

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【右丁上段】 【見出し】小笠原折形之図(をかさはらをりかたのづ)【見出し語の上下左右の角に飾り鉤かっこを付け全体を▢で囲む】 熨斗(のし)の包様(つゝみやう)   色紙(しきし) 板(いた)の物(もの)包(つゝみ)やう  墨筆(すみふて) 真(しん)の熨斗(のし)     木(き)の花 扇(あふき)草(さう)のつゝみやう 扇 行(ぎやう)の包やう   胡枡(こせう)の粉(こ) 草(くさ)の花      にほひ袋(ふくろ) 【右丁下段】 【見出し】ゆめのうき橋【源氏香の図】【見出し語の上部左右の角に飾り鉤かっこを付け全体を▢で囲む】 此巻は哥にも詞にも名の義(き) なし。心をもつて名づけたり。 うき舟の小野に居給ふことをかほるのきゝ出し 給ひて◯此 手習(うき舟こと也)の君の弟ひたちの(うき舟のまゝちゝ)守(かみ)が子を御 使にて。御文つかはさる。しるへなくばいかにとてかの 人(うき舟也)をあまにせし僧都(そうづ)に文をこひて大(かほる)将の御文 にとりそへてゆきし也。かほるの御哥に〽法のしと たづぬるみちをしるべにて思はぬ山にふみまよ【「ど」とあるところ】ふ かな◯此心はのりのしとより僧都(そうづ)をたのむべき。 かく思ひよらぬことをたのみたるといふ心也 〽そも〳〵此巻 夢(ゆめ)のうき橋(はし)といふこと。まつたく色(いろに) ふけり言葉(ことば)をかざりて此物がたりをかけるにあら ざる也。只(たゞ)無常(むじやう)のことはりをあらはし盛者(せうじや)必(ひつ) 衰(すい)のおもむきをしらしめんため也。夢(ゆめ)といふは むなしき心也。有無(うむ)の諸法(しよほう)いづれもゆめにあら ずといふことなし。うき橋(はし)とは伊弉諾(いざなぎ)伊弉冉(いざなみ)尊(みこと)。 天(あま)の浮橋(うきはし)にて共為夫婦(みとのまぐはひ)【濁点の位置誤記】し給ひて。陰陽(めを)をさだめ 給ひしも男女(なんによ)のことよりおこれり。しかれ共こゝは 夢の一 字(し)の外はなし。浮橋(うきはし)は夢(ゆめ)にひかれて出 きたる詞(ことば)也。栄花(ゑいくは)もみな夢(ゆめ)とさとるへしとの義也 【左丁上段】 【見出し】源氏略系図(げんじりやくけいづ)【見出し語の上下左右の角に飾り鉤かっこを付け全体を▢で囲む】 ▲桐つぼの更衣(かうい)  げんしの御母   《割書:あぜち大なごんの|御むすめ》 ▲あふひの上(うへ)   げんじの北の方   《割書:左大臣(さたいじん)の御 娘(むすめ)》 ▲むらさきの上(うへ)  げんじの北の方  《割書:藤つぼの女御の|御めい子》 ▲女三のみや    げんじの北の方  《割書:藤つほの女御の|御むすめ》 ▲末(すえ)つむ花    げんじの通ふ所  《割書:ひたちのみやの|御むすめ》 ▲おぼろ月夜    げんじのまれに逢人 《割書:こうきてんの|御いもうと》 ▲花ちるさと    げんじの通ふ所  《割書:れいけんでんの|御いもうと》 ▲夕がほの上(うへ)   げんじの通ふ所   《割書:玉かづらの母(はゝ)》 ▲玉かつら     げんじの御 子分(こぶん)  《割書:実は頭中将(とうのちうじやう)の子》 ▲雲ゐのかり    げんじのこしうと 《割書:頭の中将(とうのちうじやう)の御 娘(むすめ)》 ▲六条のみやす所  げんじの御おぢ  《割書:前坊(せんばう)の北(きた)の方(かた)》 ▲秋このむ宮    六条のみやす所の御むすめ ▲うきふね     ひたちの守が娘  《割書:実はうぢの宮の|御子》 ▲宇治(うぢ)の宮(みや)    げんじの御おぢ也 ▲かしはぎのゑもん げんじのこしうと也 ▲匂兵部卿(にほふひやうぶきやう)  げんじの御おとゝ也 ▲夕ぎり      げんじの御子   《割書:あふひの上の|御はら也》 ▲かほる      げんじの御子   《割書:実はかしは木の子|女三の御はら》 ▲ひげくろ     げんじの御おいの 《割書:れいせいゐんの御母|かたのおぢ也》 【左丁下段】 【見出し】源氏物語之大意【見出し語の上下左右の角に飾り鉤かっこを付け全体を▢で囲む】 此物かたりのはじめは紫式部(むらさきしきぶ)上 東門院(とうもんいん)の 官女(くはんによ)になりたる比(ころ)斎院(さいゐん)より上東門院へ めづらかなる物かたりあらば見給はんと御 尋(たづね) ありしにより紫式部に仰(をゝせ)つけられと つくらせらる式部仰をうけ給はりて石山 の観音(くはんをん)に詣(ま)ふで通夜(つや)して此 事(こと)を 祈(いの)り申されけるにおりふし八月十五夜 の月 湖水(こすい)にうつりて心もすみわたり て物かたりの風情(ふせい)心にうかひけれは 仏前(ぶつせん)に有(あり)ける大 般若経(はんにやきやう)の料紙(りやうし)を申 うけてまつ須磨(すま)あかしの両 巻(まき)を書(かき) とゞめ其後(そのゝち)次第(したい)に書(かき)くはへて五十四 帖(じよ)と なして奉りけれは大 納言(なごん)行成卿(ゆきなりきやう)に清書(せいしよ) させられて斎院(さいゐん)へまいらせられけると也 まことに和語(わご)の双紙(さうし)この物がたりに すぎたる物なしといへり