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翻刻
【柱】古今巻十六 〇廿九
へもしとも一度に出にけり穴に取あてたるまらも
はづれてしとさん〴〵にはせちらされにけり隣(となり)
の中のへだてのやり戸に穴のありけるよりしと通(とを)
りてやどりのそばにねたりける女房の顔(かほ)にかゝり
ければかくとはしらで雨のふりてもるぞと心得て
さはぎまどひけるおかしかりける事かな
【547】あるなま蔵人の妻(つま)のいと物ねたみする女有けり
男あぢきなき事に思ひていかゞして此女にはな
れなんと思ひけれ共さすが又すぐせ【宿世】つきねばながらへ
てすぐしければある事かなき事かに付てさいな