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ぞととへばさはきりてすて給ひしこ人がために
いかでかはこゝに素服(そぶく)きせざらんとて服きせたるぞか
しといひけりめづらしかりける素服(そぶく)也おもかげをし
はかられておかしくこそ侍れ
【548】しきりにたけたかき女と殊にたけひきかりけるおとこ
ねたりけるに女のまたの程に男のかほあたりて侍けり
おとこねざめてをのが口の女のまへのほどあたりた
りけるを顔(かを)ぞと思ひてあさましの御口の香(か)のくさ
さやといへりければ女も又ねほけておとこの口
ぞとは思ひよらでほかの人のいふぞと心へてなむ
【上欄書入れ】33
【柱】古今巻十六 〇三十一