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翻刻
【柱】古今巻十六 〇四十
いまだありけり此時とりもあへず越前房はたかくもなし
ひきくもなしよきほどの物なといひなをしたりける
心はやさいとおかしかりけり
【560】前ノ大和守/時賢(ときかた)が墓(はか)所は長谷(はせ)といふ所にありそこ
の留す【留守】する男くゝりをかけて鹿(しか)を取ける程に
或日大/鹿(しか)かゝりたりける此男が思ふやうくゝりかけて
取たらんいとねんなし射ころしたりといひて弓の
上手のよし人にきかせんと思ひてくゝりにかけたる鹿
にむかつて大がりまたをはげて射たりける程に其
箭(や)しかにはあたらずしてくゝりにかけたりけるかづら