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翻刻
たりける心はやさの程(ほと)ありがたき事也
【565】橘ノ蔵人太夫/有季(ありすへ)入道の許に年比の青侍(あをさふらい)有けり
一/期(ご)不運(ふうん)にてやみにけり無食(むじき)にて両三日/経(へ)にけれ
ば存命もほとんどあぶなく覚ける飢饉(ききん)の年た
ま〳〵吹田庄(すいたのせう)より給(きう)物を以テ来りけりうちまかせ
てはよろこびさはぎて取入べきに日のわろければ
よからん日こそおさめとてとなりの家にやとしをき
て又両三日の日をむなしくすぐしけりとかくいふ計
なきあり様也くだんのおとこ鞍馬(くらま)の月詣ふてをし
けりすべて以の外の苦行者(くきやうじや)成けり或日有季入道
【上欄書入れ】45
【柱】古今巻十六 〇四十三