← 前のページ
ページ 1043 / 1317
次のページ →
翻刻
【柱】古今巻十六 〇四十四
てとくたゞひとり永親がもとへ行ける程にわすれ
てゑぼうしをもせでもとゞりはなちながら門(かど)をあ
ゆみ入けるを人々見てふしぎの事かなと笑(わらひ)あひ
けれどもことばにいふ事なければ我事とは思ひもよら
である程に朝日のかげにもとゞりのうつりて見へけれ
ばはじめてさどりてかしらをさぐるにゑぼうしなかり
ければあはてまとひてはしりかへりにけるうしろす
がたおもかげさこそおかしかりけめ
【568】将軍入道殿はじめて上洛の時清水の橋を渡り
たりけるにいづれの武者の分にてか有けんしろき