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翻刻
【柱】古今巻十六 〇四十七
沙金(しやきん)といひてならびなき美女(びじよ)ありけり兵庫(ひやうご)ノ頭(かみ)
仲正(なかまさ)なん思てひさうしけり其時殿下の前駆(せんく)の人々
鴨井(かもゐ)殿にあつまりて酒のみける次てにある人かの
沙金が事をかたりいで一日内裏にてねりいてたり
しかぎりあれば天人もこれにはまさらじとこそ見へし
が世にあらばかやうのものをこそおもひ出にもせまほし
けれなどいふ鬼こゝめをも物ならす思へる武士(ぶし)はおそ
ろしき物ぞおもふとも叶(かな)ふべからずいひさたせで有
なんと人々いふを佐実(すけさね)と云者さかしだちたる本性
にていなや武士も女のかたにはほるゝ物也我はぬす