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翻刻
【柱】古今巻二 〇十九
観念せさせ給ひて御念珠(ごねんじゆ)をなげいだされたりけれは
弟子を足(あし)にして二三/帀(さう)ばかりはしりあゆみたりけれは
いそぎ御/障子(しやうじ)をたてゝ入御ありけるとなんすべて院宮(ゐんみや)
関白(くわんはく)を始(はじめ)奉て霊験(れいげん)をかうふる人そのかずおほしさの
みはことおほければしるさず応徳(おうとく)二年九月廿七日つゐに
往生をとげさせ給にけり
堀河(ほりかは)左大臣右大臣の時/紫雲(しうん)をばまさしく見られける
とぞ延暦寺(えんりやくじの)僧/慶覚(けうかく)は空中(くうちう)に音楽(をんがく)を聞けり荼毘(だび)【毗】
のとき御平生の間とかせ給はざりける御/帯棺(をびくわん)の中にて
やけざりけりふしぎの事とぞ世の人申ける