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翻刻
けるをいと文のかたにすぐれたる聞えもなかりけるにや
此佐実花薗殿に参りて物語申ける次てに御文談の
候はん時は佐実もめされ候べき物を敦(あつ)正にはよもおと
り候はしとてかれがあしき事共を書つくし聞へければ
心得ずおぼしながらさる程にあひしらひ給をまことにや
思ひけん又申けるはいみじき秀句をこそ仕て侍れと申
ければ興有事かないかにと問給ふに
有(アリ)_レ花(ハナ)々々(〳〵)敦正(トンセウ)山之(サンノ)春霞(ハルカスミ)紅(クレナヒ也)と申けれはあるじ
の殿わらはせ給ひていみじき秀句也と感じ給ければ
ゆゝしく罷出にけりかくいふは此敦正は鼻(はな)のおほきに
【上欄書入れ】54
【柱】古今巻十六 〇五十二