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翻刻
卿と栄性(ゑいしやう)法眼(ほうけん)とはむかしよりの知音(ちゐん)にて有けるに
亀山殿の宿所むかひあはせにて有ければあさゆふ
よりあひてあそびけるに茂通(しげみち)卿栄性が亭へ行向ひ
けるやうは本鳥(もとどり)をはなちて小袖びやくえにて門を入ゟ
して栄性法眼めおやまけ〳〵と大/声(こへ)にていひて縁(えん)を
のぼりければ栄性とりもあへず簾(すだれ)の中より茂通め
もおやまげ〳〵とぞいひけるさて其後よりあひて雑(ざう)
談(たん)酒宴(しゆえん)などしけるとかや知音もかゝる事やは侍るべき
人の利口にに【「に」衍字ヵ】て有けるやらんかの栄性法眼は忍てある
尼(あま)をかたらひて持たりけり同宿はしながらさすが同
【上欄書入れ】55
【柱】古今巻十六 〇五十三