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翻刻
【柱】古今巻十七 〇四
てゆきて見ければ其かばねもなかりけり鬼(をに)のしは
ざにこそ次の日/諸(しよ)寺の僧を請(しやう)ぜられて読経(とくきやう)の
事有けり其僧共は朝堂(てうどう)院の東西の廊(らう)に宿(しゆく)
侍(じ)したりけるに夜中はかりに騒動(さうどう)のこゑのしけれ
ば僧共坊のそとへ出て見ればやがてしづまりてなに
事もなかりけり是はされば何事によりて出つるぞ
とをの〳〵たがひに問けれ共誰もわきまへたる事なか
りけり物にとらかされたりけるにこそ此月に宮中
京中かやうの事共おほくきこへけり
【590】延長七年四月廿五日の夜/宮(きう)中に鬼のあと有けり