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翻刻
玄輝(げんき)門内外桂芳坊のほとり中宮庁常寧殿の内
などにぞ有ける大なる牛の跡にぞ似たりける其ひづめ
の跡青赤色をまじへたりけり一二日の間に次第に失(うせ)
けり北の陣の衛士がみけるには大なるくま陣中に入て
則見へず其鬼のあとの中におさなきものゝ跡もまじ
りたりけりとぞおそろしかりける事哉
【591】同八年六月廿五日/宇多(うだの)院の御随身/近衛(こんえ)右近(うこん)の陣(ぢん)を
すきけるに三位一人五位一人人に火をともさせて右
近の陣を入と見る程に誠にはなかりけり是も鬼の
しはざにやとぞ世の人おぢける
【上欄書入れ】5
【柱】古今巻十七 〇五