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翻刻
【柱】古今巻十七 〇五
【592】同七月五日夜右近衛下野の長用殷富門よりまいりて
武徳殿(ふとくでん)に至る程にさきにくろき物着て太刀はきた
る者人をとらへてひとり行けり長用追付て見け
れば此ものかへりしろき笏(しやく)をぞもたりける扨ゑもん
の陣にいたりぬ陣の内より三位一人出あひたり供の
もの火をともしたりけり三位/光臨(くわうりん)を相まつとて他事
をもかたらひけり火をともしたるものはすりぎぬを着
たり長用鬼神にこそとおそれ思て先かへりて殷富(いんふ)
門(もん)のもとに至りてさきの所を見るに火百あまりと
もしたる物見えけりやゝひさしく有てぞきえける