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翻刻
【柱】古今巻十七 〇十二
れどもあへてあやしき事なし御所様にも其程はさせる
事なかりけり七日にあたる夜待かねて少しまどろみたり
けるにかはらけのわれをもて頼度(よりのり)が頭(かうべ)にばら〳〵となげ
かける此時居なをりて物は有けりと思て待ゐたるに
又さきのごとくばら〳〵なげゝりされ共目に見ゆる物は
なししばし計有て頼度がうへをくろき物がはしりこへ
けるを下よりむずと取とゞめてげり見れば古狸(ふるたぬき)の
毛(け)もなきにてぞ侍けるやがてをしふせてさしぬきの
くゝりをぬきてしばりていきながら院の御所へゐて
参たりければ御/感(かん)のあまりに御太刀ほうびを給はせ