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翻刻
【柱】古今巻十七 〇十三
いひおどされてさせるみたる事もなきにとゞまるべきか
きたなきこと也我ひとり行て見んとて小冠者(こくはじや)一人
に弓矢もたせてわが身は太刀計打かたげて闇(やみ)の夜に
道もみへねどしらぬ山中をたどる〳〵件の池のはた
に行てげり松の池へおひかゝりたるが有けるもとに
居て待所に夜ふくる程に池のもしんどうしてなみ
ゆはめきておそろしき事かぎりなし弓矢はげて
待にしばし計有て池の中ひかりて其体は見へねども
仲俊が居たる所の松の上にとびうつりけり弓ひかんと
すれば池へとびかへり矢さしはつせば又もとのごとく
【縦長楕円印 朱】BnF/MSS