Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション4

BnF. Département des Manuscrits. Japonais 5627 - 翻刻

BnF. Département des Manuscrits. Japonais 5627 - ページ 110

ページ: 110

翻刻

ゐて経をよみ呪(しゆ)をみてゝ日を送り給ひけるに陰雲(いんうん) 靉靆雨滂沱庵室(あいたいしあめはうだたりあんじつ)のうち河流(かりう)のごとくして身をゐるべき 所なしわづかに岩の上に蹲居(うづくまり)して存命ほとんとあぶな かりけり高声(かうせう)に経をよみ奉る我(ワレ)不(ズ)_レ愛(アイセ)【訓点二】身命(シンメウ)_一但(タダ)惜(ヲシム)_二無(ム) 上道(シヤウドウヲ)【訓点一】の義なり夜ふけて夢ともなくうつゝともなく容(よう) 貌美麗(ほうひれい)なる総角(あげまき)の幼童(わらは)左右におの〳〵壱人僧正のあ しをさゝけたりおどろきて幼童(ようどう)をもとむるにはじめて 夢としりて感涙(かんるい)をさへがたしいよ〳〵本尊を念じてねぶれ ばまたさきのことく童子見へけり麗景殿(れいけいでん)の女御僧正を 御猶子(ごゆうし)にして憐憫(れんみん)の心ざし実子に過たりけり    【柱】古今巻二        〇二十二