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翻刻
【柱】古今巻十七 〇二十二
とをせども其跡なしさりけれども人にあたる事はな
かりけり此事いかにしてとゞむべきと人々さま〴〵議(ぎ)す
れ共しいだしたる事もなきにある田舎(いなか)さふらひの申け
るは此事とゞめんいとやすき事也/殿原(とのばら)めん〳〵に狸(たぬき)を
あつめ給へ又酒を用意せよといひければ此ぬしは田舎だ
ちのものなればさだめてやう有てこそいふらめと思ひて
をの〳〵いふがごとくにまうけてげり其時此おとこさふらひ
のたけ【「たけ」は、書陵部本「たたみ」】をきたのたいの東の庭にしきて火をおびたゝ敷
をこしてそこにて此狸をさま〳〵調(てう)してをの〳〵能々くら
いてげり酒のみのゝしりて云やういかでかおのれほどの奴(やつ)