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翻刻
【柱】古今巻二 〇二十三
しるさず浮(うき)くものごとくさすらひありき給て和泉くに
槙尾(まきのを)山と云所にてかの山の住僧に奉仕(ぶじ)せられけり
阿私仙に大王のつかへしがごとし其時/村邑(しんゆふ)に産(さん)する
女ありけりいのらしめんがためにかの住僧を請じ
けり僧故障(そうこせう)ありてゆかずたゞしこのころより給仕(きうじ)する
下僧有くだんの僧をやるべしと云ければ産婦の夫それ
にてもといひければすなはち僧正に其よしを申けり
僧正/験者(げんざ)にたへざるよしをしきりにの給ひけれ共あな
がちにいふ事なればおはしつゝしばらく念珠のあいだに
平にむまれにけり家によろこひて牛を引たりけり僧正