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侍/台盤(たいばん)所の御(み)つぼのかえでの木を見出して此かえで
にはつもみちのしたりしこそうせにけれといひたりけ
るを頭中将聞ていづれの方にか候けんとて梢(こすへ)を見上
ければ人々もみな目を付て見けるに蔵人/永綱(ながつな)とり
もあへずにしの枝にこそ候けめと申たりけるを右中
将/実忠(さねたゝ)朝臣/御剱(ぎよけん)の役の為に参て同其所に候ける
が此ことばをかんして此比は是程の事も心とくうち
いづる人はかたきにてあるに優に候物かなとてうちめき
たるに人々みな入興して満座かんたんしけりまことに
取あへずいひ出るも又聞とかむるもいと優にぞ侍り
【欄書入れ】21
【柱】古今巻十九 〇十八