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翻刻
読(とく)十万部おはりて法王尊恵をめしてしとねをまふ
けてすへらる王は母(も)屋の御簾(みす)の中におはしまして尊恵
あらはに冥官共(めうくはんとも)は大/床(ゆか)につらなり居たりさま〴〵の
物語し給ひしに摂津国に往生の地五ヶ所あり清澄
寺その内也汝/順次(しゆんし)の往生うたがふ事なかれ太政入道
清盛(きよもり)は慈恵(じゑ)僧正の化身(けしん)也/敬礼(けうらい)慈恵(じゑ)大僧正天台仏法
擁護者(をうごしや)かくとなへ給てすみやかに本国にかへりて往生
の業(ごう)をはけますべしとてかへされけりとかたりけりきく人
たうとみめでたがる事かぎりなし其後一両年をへて
又法花/転読(てんとく)のためにめされたりけりそのゝち一両
【柱】古今巻二 〇二十八