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翻刻
【柱】古今巻二十 〇十六
事のやうを見はてんと思ひて追(をひ)ものけずしてかくれ
よりのぞき居たりかくたび〳〵しけれ共いかにもおち
かゝらざりければあやしくて女をよりてみればかたびらの
むねに大なる針(はり)をさしたりけるがきら〳〵として見へ
けりもしこれにおそるゝかと思て針(はり)をぬきて又もと
の所にて見るにやがてくちなは落(をち)かゝりにけり其とき
よりて打はなちつすなはち女おどろきて語りけるは
夢にもあらずうつゝにもあらでうつくしきおとこの来て
われをけざうしつるをなんぢきて追さまたげつるなり
とぞいひけるされば人の身には鉄(てつ)のたぐひをば必もつ