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翻刻
【柱】古今巻二十 〇十九
なくてしにゝければ猿共は打すてゝ山へ入にけり
ふしぎなりし事まのあたり見たりしとて則
上人かたりける事也
【698】近比/常陸(ひたち)国たかの郡(こほり)に一人の上人有けり大なる
猿をかひけりくだんの上人如法経かゝんとてかうぞを
こなして料紙(りやうし)すきけり【「り」は書陵部本「る」】時この猿にむかひてなんぢ
人なりせは是程の大/願(くわん)に助成(じよしやう)などはしてまし畜生(ちくしやう)
の身口をしとは思はぬかといひたりければ猿うち聞
て何とかいふらん口をはたらかせ共きゝしる人なし
かくて其夜猿うせにけり朝(あした)にもとむれ共すべて