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物をくはざりけるこれもあみだぶつの悲願(ひくわん)をほう
じ奉故にやふしぎにありがたき事也
【712】伊勢国/別保(べちほ)といふ所へ前の刑部(げうぶの)少輔/忠盛(たゝもり)朝臣くだり
たりけるに浦人日ごとに網(あみ)を引けるにある日大成
魚をかしらは人のやうにて有ながらははこまかにて
うをにたがはず口さし出て猿(さる)ににたりけり身はよ
のつねの魚にて有けるを三喉(さんこう)ひきいだしたりけるを
二人してになひたりけるが尾(を)なをつちにおほくひかれ
てげり人のちかくよりければたかくおめくこゑ人のごと
し又なみだをながすも人にかはらずおどろきあざみて
【上欄書入れ】33
【柱】古今巻二十 〇二十九