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翻刻
【柱】古今巻二十 〇三十三
にてぞありける
【719】阿波の国に智願(ちぐわん)上人とて国中に帰依(きゑ)する上人有
めのとなりける尼(あま)死(し)に侍りて後上人のもとに
おもはざるに駄(だ)を一疋まうけたりけり是に乗(のり)て
ありくに道のはやきのみにあらずあしき道を行(ゆき)河を
わたる時もあやうき事なくいそぐ要(よう)の事有時は
むちのかげを見ね共はやく行のどかに思ふ時はしづ
かなりことにをきてありがたくおもふさまなる程に
此馬ほどなく死にければ上人おしみなげきける程に
すこしもたがはぬ馬出来にければ上人よろこびて先(さき)