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翻刻
高倉(たかくらの)院の御時/炎旱(えんかん)年をおわたりけるに承安四年/内裏(たいり)
の最【㝡】勝講澄憲(さいしやうこうてうけん)法印/御願旨趣啓白(ごぐわんししゆけいひやく)のついでに龍神
に祈(いの)り申てたちまちに雨をふらしてたうざにその賞(しやう)を
かうふりて権大僧都にあがりて上/臈権少僧都覚長(らうこんのせうそうづかくちやう)が
座上につきけり其時の美談(びたん)此事にありけり俊恵(しゆんゑ)
法師よろこびつかはすとてよみける
雲(くも)の上にひゝくをきけは君かなの
雨とふりぬるおとにそありける
解脱房遁世(げだつばうとんせい)の後/壺坂(つほさか)の僧正のもとに湯治(とうし)のため
にしのびて湯(ゆ)の刻限(こくげん)をまち候ほど或人の部(へ)屋に
【柱】古今巻二 〇三十二