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翻刻
【柱】古今巻二十 〇三十九
【726】伶人(れいじん)助元(すけもと)府役(ふやく)懈怠(けだい)の事により左近府の下倉(したくら)に
めしこめらる此下倉には蛇蝎(じやかつ)のすむ成ものをと恐
をなす所にあんのごとく夜中ばかりに大蛇来れり
かしらは師子(しゝ)に似たりまなこはかなまりのごとくにて
三尺ばかりなるしたをさしいだして大口をあきて既(すで)に
のまんとす助元たましゐうせながら最後(さいご)とおもひ
きりてこしなる笛をぬきいでゝ還城楽破(げんじやうらくのは)をふく
大蛇きたりとゞまりて首(くび)をたかくもてあげてしばら
く笛をきくけしきにてかへりにけり○此集のおこりは
われそのかみ詩歌(しいか)管弦(くわんげん)のみち〳〵に時に取てすぐ