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翻刻
【柱】古今巻二 〇三十三
聞て易往易行(いをういきやう)の道におもむくまのあたり宮殿宮(くうてんきう)
樹(じゆ)を見化仏化𦬇【菩薩】をげんじ奉る元久二年四月一日月の
輪殿(わとの)へさんじて退出(たいしゆつ)の時南/庭(てい)をとをりけるに頭光(づくわう)げんじ
たりければ禅閤(ぜんかう)地におりてくやうらい拝し給ひけり
建暦(けんりやく)三年正月廿五日/遷化(せんげ)《割書:春秋|八十》往生の瑞相(ずいさう)一にあらず
いまだ墓(はか)所をてんぜざるに両三人の夢に其所にあた
りて天童行道(てんどうぎやうどう)し蓮花/開敷(かいふ)せり三四年よりこのかた
老病身にまとひて耳目/蒙昧(もうまい)なりけるが往生の期(ご)
ちかづきてはことに目も見え耳もきかれにけり
みづから上品極楽は我本国也/定(さだめ)てつゐに往生すべし