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よに心のすむものやいさ給へ月見にとて房(ばう)を出て清瀧(きよたき)
川のはたをかみへ廿余町計山をわけて入給て大成石(おほいなるいし)有
それにのほりて此いしはいかにもやうあるいし也/伽藍(がらん)など
のたちけるいしずへにもやありけん此石なとやらんなつかし
きなりとてふくるまでこゝろをすましてさま〴〵の物語
しつゝ座せられけりさむくおはすらんとてその石の上
にいつくに有へしとも覚(おほへ)ぬに円座(えんざ)一枚を取出して
光音(くはうをん)にしかせられけるふしきにめつらかなる事なり
彼石をは定心石(てうしんせき)とそ名付られけるもろこしの悟真(ごしん)
寺(じ)の石に模(も)せられけるにこそ又/縄床樹(じやうしやうじゆ)といふ松有
【柱】古今巻二 〇三十六