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翻刻
【柱】古今巻二 〇三十六
その松/座禅(ざぜん)にたよりありけり正月の比松のもとに
居てくはんねんせられけるにあられのふりけれは
岩のうへ松のこかけにすみ染(そめ)の
袖のあられやかけしその玉
尺尊の御遺跡(こゆいせき)おかみ奉らんとて弟子十よ人をあいぐし
て天/竺(ぢく)へわたり侍らんと思はれける比春日大明神に
いとま申さんとてかの御やしろへ参られけるに鹿六十
頭ひざをおりて地にふして上人をうやまひけり其後
生所紀伊の国/湯浅郡(ゆあさこほり)へむかはれたりけるに上人の伯母(をは)
なりける女房に付て春日明神御/託宣(たくせん)有けるは