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て見へけるが此舟のもとへながれくるありあやしと思ひて
杓(さく)をおろしてくみてみれば少も塩(しほ)のけもなき水の
めでたきにて有けり人々是をくみのみて命いきに
けり是件(これくたん)の観音の利生方便也世のすへといひながら
大/聖(しやう)の方便ふしぎの事也大舟にすて乗(のせ)られたりける
もの共すてにかぎりなりけるにいづくより共しらぬ小船
出来て此ともがらをうつし乗(のせ)てことゆへなく彼きしへつ
けてげり是もくはんおんの御たすけ有けるにや
湛空(たんくう)上人/嵯峨(さが)の二/尊(そん)院にて涅槃会(ねはんゑ)をおこなはれ
ける時人々五十二種の供物(くもつ)をそなへけるに花をうへに
【柱】古今巻二 〇四十三