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翻刻
古今巻一 〇六
長久焼亡(ちやうきうのぜうまう)にぞやけそんぜさせ給にけるそれより
そのやけさせ給ひたる灰(はひ)をとりてからひつに入奉り
ていまおはしますり是也/世(よ)のくだりさま神鏡(しんきやう)の御さま
にてみえたり神威(しんい)いつとてもなじかはかはり給ふべき
なれども世(よ)のくだり行(ゆく)さまをしめし給ふゆへにかくなり
ゆかせ給ふにこそ今行末(いまゆくすへ)いかならんかなしむべきこと也
〽延長八年六月廿九日 ̄ノ夜(よ)貞崇法師(ていすうほうし)勅(ちよく)を承(うけたまは)りて清(せい)
涼殿(りやうでん)に候(こう)じて念仏(ねんぶつ)し侍りけるに夜(よ)やう〳〵ふけて東(ひかし)
のひさしに大(おほひ)なる人のあゆむをと聞えけり貞崇(ていすう)すだ
れをかきあげて見ければあゆみかへるをとして