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人見へず其後(そのゝち)又小人(またせうしん)のあゆみくる声(こゑ)すやう〳〵ちかく
なりて女声にてなにゝよりて候ぞととひければ勅(ちよく)
を承りて候よしをことふ小人のいひけるは先度(せんと)なんぢ
大般若(たいはんにや)の御読経(をんどくきやう)つかうまつりしに験(げん)ありきはじめ歩(あゆみ)
来(きた)りつるものは邪気也(じやきなり)かの経(きやう)によりて足(あし)やけそんじ
ててうぶくせられぬ後(のち)のたびの金剛般若(こんがうはんにや)の御/読経(どくきやう)
奉仕(ぶし)の時(とき)は験(げん)なかりき此よしを奏聞(そうもん)して大般若(たいはんにや)
の御/読経(どくきやう)をつとめよ我(われ)はこれ稲荷(いなり)の神なりとて
うせ給ひぬ貞崇(ていそう)此よしを奏聞(そうもん)し侍けり○三井寺の
鎮守(ちんじゆ)新羅(しんら)明神は婆竭羅龍王(しやかつらりうわう)の子(こ)也智證大師(ちせうだいし)渡(と)
古今巻一 〇七