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入由にて侍り率分(そつふん)堂に草のしけれるとは諸国のみつき
物の参らぬ由成へしいみじく申たりけるもの也昔は人の装束(しやうぞく)もなへ
〳〵としてぞ有けるされば斎院(さいゐん)の大納言の消息(せうそく)に先代の時/節(せち)
分袍借献(ふんほうしやくけん)など書れたんなるは節会(せちゑ)の袍(ほう)とてほの〳〵とある物の人に
かすなどが有けるとぞ後朱雀院の御時/旬(しゆん)に参たりける上達部
を御覧じて次日/資房(すけふさ)卿の蔵人/頭(かみ)也けるを召て昨日公卿の装束
を御覧ぜしかば以外に袖大に成にけりかくては世のつゐへなるべし
いかゞせんずると右大臣《割書:実資(さねすけ)》のもとへいひあはすべしとみことのり
有ければ則申されければおとゞ申給けるはみなの公卿に
此よしを承りて畏り申さばさすがに左大臣御けしき
【柱】古今巻三 〇二