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かたりてげり太政入道つたへきかれたれどもいと承引
なかりけりさるほどに同人の夢に還御(くはんぎよ)ありと邦(くに)【郡ヵ】綱(つな)卿長/絹(けん)
のかり衣きて新院の御ともにさふらふ頭亮重衡(とうのすけしげひら)朝臣よ
ろひきて御供に候と見てさめぬ去ながら一日の夢もちゐ
られねば申出されざりけり十一月廿六日平の京に還御(くはんぎよ)
有ければかの夢にはよらざりけり山僧のうたへ又東国の
みだれなどのゆへとぞ聞え侍ける治承四年秋の比より
伊豆(いづ)の国の流人(るにん)前ノ右兵衛ノ佐頼朝(すけよりとも)謀反(むほん)のきこへ有けり
追討使(ついたうし)少将/惟盛(これもり)朝臣さつまの守/忠度(たゞのり)参河守/知度(とものり)
等(ら)くだされたりけれども源家の兵(つはもの)次第に数そひければ
【柱】古今巻三 〇六