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たりけるに雑犯たゞすべき物なかりけれはちからおよばて
検非違使(けひいし)ども退出せんとしけるになにがし僧正とかやの児
沓(くつ)をはきながら木のまたにのぼりて見物しけるを経仲
が下部をもてめしとりてたゞしける詞に長大垂髪(ちやうたいにのたれがみ)にて
皮(かは)の沓(くつ)をはきたる【かヵ】木にのぼりて宮闕(きうけつ)をうかかふ一身
をもつて師のをかしをなせるしかるへしやいかんと勘問(かんもん)し
たりける時にのぞみていみじかりけり叡感(えいかん)ありて女房
の衣をたまはせけりとなん
寛治八年正月二日殿の臨時/客(きやく)有けるに左大臣(俊房)左大将(房顕也)
右大臣/内大臣(後二條)参たり事はてゝ各御馬ひかれければ
【柱】古今巻三 〇九