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食には海陸(かいりく)の珍をとゝのえ身には蘭麝(らんじや)を薫(くん)じ
口には和歌を詠してよろつの男をばいやしくのみ
思ひくだし女御(にようご)后(きさき)に心をかけたりし程に十七にて母
をうしなひ十九にて父におくれ廿一にて兄にわかれ
廿三にておとゝをさきたてしかは単孤無類(たんこむるい)のひとり
人に成てたのむかたなかりきいみじかりつるさかへ日
ことにおとろえ花やかなりし㒵(かたち)とし〴〵にすたれつゝ
心をかけたるたぐひもうとくのみなりしかば家は破(やぶれ)て
月ばかり空くすみ庭はあれてよもぎのみ徒に
しけしかくまで成にければ文屋康秀(ふんやのやすひで)が参河の
【柱】古今巻五 〇三十三