← 前のページ
ページ 363 / 1317
次のページ →
翻刻
おそれて裏(うら)書にさま〳〵の述懐(しゆつくわひ)の詞ともかきつけ
てよみ侍る
あかさりし月もさこそはおもふらめ
ふるき涙もわすられぬ世に
誠に彼ノ御製はおよばぬものゝ目にもたくひすく
なくめてたくこそ覚侍れ管絃のよくしみぬる時
はゝ心なき草木のなびける色までもかれにしたがひ
てみえ侍なる様に何事も世にすぐれたる事には
見しり聞しらぬ道のことも耳にたち心にそむは
ならひ也当院の御製も昔にはぢぬ御ことにやその
【柱】古今巻五 〇五十八