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翻刻
【柱】古今巻五 〇六十
知家(ともいへ)朝臣つかうまつりける
むかし思ふたかのゝ山のふかき夜に
あかつきとをくすめる月かけ
此歌/叡慮(えいりよ)にかなひて頻(しきり)に御感有けり厚紙を懸物
につまれたりけるに事はてゝ人々罷出けるに蔵人
左兵衛権少将橘ノ親季(ちかすへ)を御使にて知家(ともいへ)朝臣出けるに
追つかせて古寺(ふるてら)の月の歌殊/叡感(えいかん)あり勅禄(ちよくろく)を給ふ也
とてかさねて紙を給はせけり知家朝臣申けるは忝く
勅禄に給はる紙いかてか私用仕べき明日やがて住吉
の御/幣(へい)に奉るべきよし披露(ひろう)すへきよし申て罷出