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雨ふりてきえにけり大かた合戦の間ふしぎ共/多(おほ)かりけり
春日山(かすかやま)に神光(しんくはう)有けるが合戦はてゝ見へずなりにけりある人
夢(ゆめ)にも御寺(みてら)の方(かた)の兵鹿(つはものしか)のかたち成けりと見けり又/神主(かんぬし)
時盛(ときもり)が夢には弓(ゆ)ぶくろさしたる兵/数万騎(すまんぎ)ありけり時盛あ
やしみて問(とひ)ければ春日大明神の御(ご)合戦御/訪(とむらひ)に藤入道藤(とうのにうたうとの)の
まいらせ給ふ兵也とぞ答(こたへ)ける時盛/驚(おどろ)く程に隆覚が兵入に
けり大明神の御はからひにて衆徒合戦利にしける厳重(げんぢう)也
ける事也藤入道殿とは誰(たれ)の御事にか宇治(うち)の左府御記(さふぎよき)には
御室(おむろ)の御事にやとぞ侍なる
いつ比の事にか徳大寺(とくだいし)のおとゝ熊(くま)野へ参給ひけりさぬき
【柱】古今巻一 十七