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翻刻
【柱】古今巻六 〇十二
勝劣(せうれつ)なかりけり此事彼卿慥にしるしをかれ侍り
【254】大宮ノ右相府/薨去(ごうきよ)の後七々の忌(いみ)はてゝ人々分散しけ
るに大納言宗俊卿ひとり旧居(きうきよ)にとゞまり居て心
ぼそく思はれけるにや鬢(びん)かゝれけるつゐでに草子
筥(ばこ)のふたを拍子(ひやうし)に打て万秋楽の序を唱歌にせら
れける一句をしめては涙をおとしてぞ居給たりける
ことに風病おもき人にて笛のつかにもかみをまき
てぞつかはれけるしかふして紫檀(したん)の甲(かう)の比巴を能(よく)さむ
き時もひかれければ近習者共は此人はそら風を
やみ給にこそなどぞいひあへりける又物狂の気の