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意なれ共此度におきてはしかるべからずとしきりに止る
を聞ずしゐてしたがひ給けり力及ばてもろともに
下りてつゐに足柄(あしがら)の山迄来にけり彼山にて義光
馬をひかへていはく止め申せ共用給はでこれ迄/伴(ともな)ひ
給へる事其志あさからず去ながら此山にはさだめて
関(せき)もきびしくてたやすくとをす事もあらし義光
は所職(しよしき)を辞(じ)し申て都(みやこ)を出しより命をなき物になし
て罷むかへはいかに関きびしくとも憚(はゞか)るましかけ破(やぶり)て
罷通るべしそれには其用なしすみやかに是より帰(かへり)
給へといふを時秋なを承引せず又云事もなし其時
【柱】古今巻六 〇十四