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翻刻
【柱】古今巻六 〇十四
義光時秋か思ふ所を悟りてのどかに打寄て馬より
おりぬ人を遠くのけて柴(しば)を切はらひて楯(たて)二牧【枚ヵ書陵部本「枝」、近衛文庫本「枚」】を敷
て一牧には我身座し一牧には時秋をすへけりうつぼ
より一紙の文書を取出て時秋に見せけり父時元
が自筆に書たる大食調(たいしきてう)入調(しゆてうの)曲ノ譜(ふ)又笙はありやと
時秋に問ければ候とてふところより取出したりける用意
の程先いみじくぞ侍ける其時是迄したひ来れる
心ざし定て此れうにてぞ侍らんとて則入調曲を授(さずけ)
てげり義光はかゝる大事によりてたゞには身の安否(あんひ)
しりがたし万が一安/穏(をん)ならば都の見参(けんざん)を期(ご)すへし貴殿