← 前のページ
ページ 434 / 1317
次のページ →
翻刻
てかしらを下になして肩(かた)を板敷につよくなげければ
只今に身もくだけぬとぞ見へける其時/法源房(ほうけんばう)いまだ
俗(ぞく)にて大炊御門東洞院の山かの中納言/局(つほね)の家の北
対(たい)をかりうけてゐられたりけり此病者が家はたゞ東
にてぞ侍けるそなたへゆびをさしてゆかんとするを
父たがもとへゆかんと思ひてゆびをはさすぞ西(にしに)藤馬(とうまの)助
こそおはすれかれへゆかんと思ふかと問ければ病者うな
づきけりさらばよび申さんはいかにといへば悦たる気しき
にてうなづきけり其時馬助のもとへ行て此やうを
いひければあやしき事也とて則あひ共に病者の
【柱】古今巻六 〇二十四