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さりぬと思ふ程に夢さめぬ此事によりて心の中に
日ごとに相待ところにけふ五十日/満(まん)也然るに此額あつ
らへたまふ是一仏浄土のえん也やがて書侍べきに
この額におきては精進(しやうじん)して書侍べしいかにもこれ
書はてん迄はよも死(しに)侍らじとてなく〳〵随喜せられ
ける也抑/天下(あめかした)に道にたづさはる人おほけれ共御/辺(へん)
の道におきては又/対揚(たいよう)なしそれにつきては我道(わかみち)こそ
侍けれ其故は今度/閑院(かんゐん)殿/遷幸(せんかう)に年中行事/障子(せうじ)
を書べきよし宣下(せんけ)せられたりしを入道は此/所労(しよらう)の間
かなはず経朝(つねとも)朝臣は訴訟(そしやう)によりて関東に下向す
【柱】古今巻七 〇八