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翻刻
【柱】古今巻七 〇九
伊房とておはしけるもいみじき手書也けり春日大明
神の示現(じげん)によりて御経蔵といふ額を一枚かきて
おき給たりければ只今うつべき経蔵もなければ
いまあるやうあらんずらんとて置たりける程に帥(そつ)も
うせ給てのち遥(はるか)に年月へだゝりて思の外に公家
より一切経を安置(あんち)してまいらせられける時たれか額
をは書べきとさた有けるに彼(かの)帥(そつ)の子孫の中より
かゝる事有てかの帥(そつ)書(かき)をける額ありとて出された
りければうたれけるこそ神慮(しんりよ)にかなひて有ける
事やんことなくおほゆれ