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世の中に麻(あさ)はあとなくなりにけり
心のまゝのよもきのみして
此/歌(うた)は彼(かの)朝臣の詠(えい)也思ひあはせられてはづかしくこそ侍れ
前摂津守橘以政(さきのせつつのかみたちはなのこれまさ)朝臣わかくより賀茂(かも)につかうまつ
りけるに四品(しほん)の望(のそみ)につかれて思ひあまりて申文(まうしふみ)を
書く御戸開(みとひらき)の夜(よ)参て何(なに)となき願書(くはんしよ)のよしにて
社司(しやし)をかたらひて御宝殿(こほうでん)にこめてげり御戸(みと)さしまいらせ
て後四品(のちしほん)の所望(しよまう)かなはねば大明神の御はからひにまか
せまいらせんとて申/文(ふみ)をこめつる也と披露(ひろう)しければ
社司氏人等当社(しやしうしうとらたうしや)の御ふかくに成ぬべしとて神主(かんぬし)一日