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翻刻
【柱】古今巻八 〇五
とらんとするに苔(こけ)ふかき石にすべりてうつぶしに
まろびたりけるに酒の香(か)のしければ思はずにあやし
くて其あたりを見るに石の中より水ながれ出る所有
その色酒に似たりければくみてなむるに目出たき
酒也うれしく覚て其後日々に是を汲(くみ)てあくまで
父をやしなふ時にみかど此事を聞召て霊亀三年九
月日其所へ行幸ありて叡覧(えいらん)ありけり是則/至老(しいかう)
の故に天神地祇あはれひ其徳をあらはすと感(かん)ぜさせ
給て美濃守になされにけり家ゆたかに成ていよ〳〵
孝養の心ふかゝりけり其酒の出る所を養老(やうらう)の滝(たき)と