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名付られけりこれによりて同十一月に年号を養
老とあらためられけるとぞ
【312】白河院御時天下/殺生禁断(せつしやうきんだん)せられければ国土に
魚鳥(うをとり)の類(たぐい)絶(たへ)にけり其比まづしきかりける僧の年
老たる母をもちたる有けり其母魚なければ物を
くはざりけりたま〳〵求えたるくひ物もくはずしてやゝ
日数ふるまゝに老の力いよ〳〵よはりて今はたのむかたなく
見へけり僧かなしみの心ふかくしてたつね求(もとむ)れ共得がたし
思ひあまりてつや〳〵魚取すべもしらねどもみづから川
の辺(へん)にのぞみて衣(ころも)にたまだすきして魚をうかゞひ
【柱】古今巻八 〇六