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翻刻
【柱】古今巻八 〇六
てはえといふちいさき魚を一つ二つ取てもちたちけり
謹制(きんせい)おもき比なりければ官(くはん)人見あひてからめとりて
院の御所へゐて参りぬ先子細をとはる殺生禁制(せつせうきんたん)の
世にかくれなしいかでか其由をしらざらんいはんや法師
のかたちとして其衣を着(き)ながらこの犯(ぼん)をなす事/一(ひと)かた
ならぬ科(とが)のがるゝ所なしと仰/含(ふくめ)らるゝに僧涙をながし
て申やう天下に此制おもき事みな承る所也たとひ制
なく共法師の身にて此ふるまひ更にあるべきにあらず
但我年老たる母をもてり只われ壱人の外たのめる
ものなしよはひたけ身おとろへて朝夕の喰(くいもの)たやす